
ChatGPTは勉強の強い味方ですが、あまりにも簡単に答えを教えてくれるので「これでは頭が鈍ってしまうのでは?」と心配になることも。
そんな悩みに応えるかのように、自ら考える力を養う新しい「学習モード」が登場しました。
「家庭教師AI」の誕生?答えではなく「考え方」を教える
OpenAIは、ChatGPTに「学習・勉強(Study and Learn)」モードを発表しました。
このモードは、教育者や科学者、教育学の専門家たちと協力して作成された「カスタムシステムインストラクション(回答時の条件や考慮すべき事項などの指定)」によって動いています。
つまり、ChatGPTはあなたのために問題を解くのではなく、解決策に至るまでの道のりを一歩ずつ丁寧に案内し、その過程で必要な概念を解説してくれるのです。
このモードを使っている間、ChatGPTからの応答は「トピック間の主要な関連性を強調する」(OpenAI談)わかりやすいセクションに整理されます。
それどころか、チャットボットは答えそのものを教えることをきっぱりと拒否し、代わりにあなたが問題に取り組むよう促します。
実際に試してみた

試しに簡単な積分問題を「学習モード」で尋ねてみたところ、即座に「この関数に見覚えはありますか?」と問い返されました。
私が真っ先に解答を求めると、チャットボットはこう返してきたのです。
おしい!でも今は学習モードなので、答えをそのままお渡しすることはできません。
ChatGPTは、解答全体をいきなり見せて学習者を圧倒することなく、何が起きているのかを理解するのに十分な情報だけを与えてくれます。
レッスン内容もユーザーのレベルに合わせて調整され、そのレベルは過去のチャットでのやり取りやスキルを測る質問に基づいて判断される仕組みです。
これまでChatGPTを学習目的で使ったことがない場合、あなたのスキルレベルを正確に認識するまでには少し時間がかかるかもしれません。しかし、データが不十分な場合は基礎からはじめてくれるので、ほとんどのケースで問題なく利用を開始できるでしょう。
あなたのレベルに合わせてくれる。でも「抜け道」も?
とはいえ、この「学習・勉強」モードは会話の途中でいつでもオフにして、通常のChatGPTに戻すことができます。
つまり、どれだけ学べるかは、あなたの忍耐力と自制心にかかっているのです。
また、この新モードもまだ完璧ではありません。特にユーザーのスキルレベルを推定する部分では、会話を通じて一貫した間違いを犯すこともありました。
さらに、私はチャットボットを騙して答えを早く引き出す「抜け道」も見つけてしまいました。それは、AIが問いかけてくる質問に対して、ひたすら「理解できない」と主張し続けるというもの。
最終的に、ChatGPTは根負けしたかのように問題全体を解いてくれるのですが、その解説は通常よりもはるかに丁寧で、ステップごとの説明もわかりやすいものになっていました。
AIとの学びは、まだまだ進化の途中

OpenAIは、このモードがChatGPTを学習に活用する方法を改善するための第一歩だと主張しています。将来的には、以下のような追加機能も計画されているとのことです。
- 複雑な概念や文章量の多いトピックをわかりやすくするための視覚化機能
- 目標設定と進捗管理機能
- ユーザーのスキルや目標に合わせた、より高度なパーソナライズ
この機能が将来的にさらに改善されていく可能性は高いでしょう。
同社はまた、「繰り返しと学生からのフィードバックを通じて何がもっとも効果的かを学んだ」あと、この新しい挙動を主要モデルに直接組み込むことも計画しています。
これは、将来的にChatGPTが標準で「学習・勉強」モードのような振る舞いをするようになり、ユーザーに問題解決のプロセスを学ばせるようになる可能性を示唆しています。
すぐに試せる!対象ユーザーと利用方法
ChatGPTの「学習・勉強」モードは、OpenAIアカウントを持つ無料、Plus、Pro、Teamの各プランのユーザーが利用できます。Eduアカウントにも数週間以内に展開される予定です。
ChatGPTをより便利に使うためのテクニックはいくつかありますが、この機能は学生が自分のペースで学ぶための非常に便利なツールとなりそうです。
Source: OpenAI
Original Article: ChatGPT’s New Study Mode Trains Your Brain Instead of Handing Over Answers by MakeUseOf