
より速く、よりスムーズに。
現在、無線LAN規格はWi-Fi 7が普及しており、対応PCやスマホ、ルーターなどが市場に並んでいます。無線通信技術は日々進化する分野であり、早くも業界では次世代通信規格のWi-Fi 8に注目が集まっています。
Wi-Fi 7はそれまでの規格より高速通信できるスピードを売りにしていましたが、Wi-Fi 8のセールスポイントは安全性と堅牢性になりそう。
テクノロジー関連情報サイトTom’s Guideの記事によると、Qualcomm(クアルコム)がプレスリリースでWi-Fi 8とその主な機能について発表しているとのこと。同社のロルフ・デ・ベグト氏は以下のように述べています:
Wi-Fi 8は、混雑し、干渉を受けやすいモバイル環境においても接続性を向上させ、現実世界の厳しい条件下で信頼性の高いパフォーマンスを優先するように定義されています。
さらに同氏によると、今回の新規格ではスピードよりも信頼性と動作の安定性が最大のポイントなのだそう。待機時間の軽減や低遅延などで、ロスレスに近い接続性を実現するように設計されているとのこと。
今回のリリースでは、Wi-Fi 8について大きく3つのメリットが挙げられています:
・厳しい信号条件下でのスループットが25%以上、向上
・遅延分布の95パーセンタイルで遅延が25%低減
・アクセスポイント間(メッシュネットワークなど)のローミング時にパケットドロップが25%低減
同社はWi-Fi 8の実用化には、まだ2年ほどかかる見通しだと発表。現在は多くの主要テクノロジー企業が開発に取り組んでおり、標準規格策定を担うタスクグループIEEE802.11bnが「超高信頼性(UHR)」を目指し、開発を主導しているそうです。
そんなわけで、次世代Wi-Fi 8は堅牢で安定した「途切れない、遅くならないWi-Fi」になりそうです。登場はしばらく先ですが、通信デバイスが増え続ける時代にふさわしい進化だと言えそうです!
Source: Tom's Guide