
アメリカでは犬用に作られたコンテンツが結構あるらしい。
好きなテレビ番組を見ているときに玄関のベルが鳴ると、おたくのワンちゃんは、飛び上がって吠えるタイプですか?
それとも「誰?」って首をかしげて見てくるタイプですか? 新しい研究によると、こういった反応は犬の性格に関係している可能性があるそうです。
犬用テレビ番組が増えている
近年、犬専用のテレビ番組が注目を集めていて、飼い主が外出中に犬を落ち着かせたり、退屈させないための「生活の質向上ツール」として利用されています。
犬向けに作られたテレビ番組や、犬専用のケーブルチャンネルまで存在していますが、そういった分野に関する科学的研究はまだ限られていると、今回の研究の筆頭著者であり、オーバーン大学の博士課程の学生であるレーン・モンゴメリー氏はGizmodoにメールで答えています。
モンゴメリー氏の研究チームは、犬がテレビを見るときに見せる行動がどのように形成されるのかを調査し、その性格が重要な要因であることを突き止めました。
「犬がテレビに対して見せる反応には、良いものもあれば悪いものもあります」とMontgomery氏は言います。
犬がテレビにどう反応するかの影響を理解することで、それぞれの犬の性格や与えられる刺激に応じて、ポジティブな反応を増やし、ネガティブな反応を減らすことができると、モンゴメリー氏は説明しています。
どんな調査?
研究チームは、犬のテレビ視聴習慣に関するオンライン調査で、650人の犬の飼い主を募集しました。
調査では、犬がテレビを見るようにトレーニングされたかどうか、週にどれくらいテレビがついているか、犬が実際にテレビを見ている平均時間などが質問されました。
また、犬の年齢や行動傾向といった情報も収集されました。最終的に分析に使われたのは453頭の犬で、年齢は生後2カ月から16歳まで。純血種も雑種も含まれていました。
研究チームは、動物の映像や音声などの「動物刺激」、それ以外の「非動物刺激」、画面上の物体をどの程度追いかけるかという点に注目して分析しました。
性格が大いに関係する
Scientific Reportsに掲載された研究結果によると、犬の年齢・性別・犬種といった人口統計的要因や、テレビを以前に見た経験の有無は、テレビ視聴行動には関係がないことが分かりました。
それよりも、映像や音声の種類、そして犬の性格的特徴(例えば興奮しやすさや不安の強さ)が、テレビとの関わり方を大きく左右しているとのこと。
研究では、犬は一般的に、動物の姿や鳴き声といった「動物刺激」により反応する傾向が強いことが分かりました。
約45%の犬は、吠え声や遠吠えなどに常に反応していたとのことです。一方、不安を感じやすい犬は、車のクラクションやインターホンなどの「非動物刺激」に反応しやすい傾向がありました。また、興奮しやすい犬は、画面上の動く物体を、まるで実在するかのように目で追う行動が多く見られました。
モンゴメリー氏は、「この研究は、どのようなタイプの犬向け番組が最も効果的かを考えるうえで実用的な手がかりになります」と述べています。飼い主にとっても、自分の犬の性格によってテレビへの反応を理解することで、その犬に合った番組を選んだり、テレビに対する問題行動を改善するトレーニング方法を考えるのに役立つと、研究チームは結論づけています。
どの犬もそうだとは限らない
しかし、チームは、この結果がすべての犬に当てはまるとは限らない点には、注意が必要だとしています。調査の回答者は、すでに日常的に犬がテレビに接している飼い主に限られていたためです。今後は実験的な状況でこの結果を検証していくことが目標だとモンゴメリー氏は語っています。
「すでに研究がいくつか始まっていますが、性格とテレビ刺激がどのように相互作用し、それが現実の生活でどう活かされるのかをさらに研究するのは面白いと思います」