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ビジネス

ロレアル 、上半期も全カテゴリーで成長 美容師向け製品と新興市場がけん引

編集部
05/08/2025 03:00:00
記事のポイント

  • ロレアルの2025年上半期売上は前年比1.6%増で、全事業部門が成長を記録した。
  • 美容師向けブランドが4.9%増と成長をけん引し、中国や新興市場でも回復が進んでいる。
  • 地域別ではSAPMENA–SSAが9.2%増と首位で、中国やラテンアメリカは減少を記録した。

ロレアルグループ(L’Oréal Groupe)が2025年上半期の決算を発表し、全世界における売上高が前年同期比で1.6%増加し、224億7000万ユーロ(約3兆8360億円)に達したことを明らかにした。7月29日に発表された決算報告書によると、既存店ベースの成長率は、第1四半期の2.6%から第2四半期には3.7%に増加したという。

美容師向け製品が好調だったほか、フレグランス製品や中国市場でも成長が回復基調に乗ったことで、上半期には同社の全部門が成長を記録した。

ロレアルのCEO、ニコラス・ヒエロニムス氏は、声明で次のように述べている。「新興市場での力強い成長の継続、中国本土での緩やかな回復、および北米での段階的な回復が、欧州で予想された減速を上回り、当社の多極化モデルの有効性が改めて証明された。この成長は、世界の美容市場における成長率の緩やかな改善に支えられており、次の2四半期にも同様の傾向が続くと予想している」。

ロレアルグループは、売上高ベースで世界最大の美容コングロマリットであり、現時点で37のグローバルブランドを保有している。上半期には、スキンケアブランドのメディケイト(Medik8)とヘアケアブランドのカラーワウ(COLOR WOW)を買収した。

美容師向け製品が成長を主導、消費者向けとの対照も

ブランド別に見ると、ケラスターゼ(Kerastase)、ロレアル・プロフェッショナル(L’Oréal Professionnel)、レッドケン(Redken)、マトリックス(Matrix)といった美容師向けブランドの製品は、この上半期に売上高が4.9%増加した。これに対し、一般消費者向け製品は1.1%の増加にとどまっている。

同社によると、ケラスターゼは「ジェネシス(Genesis)」や「グロスアブソリュ(Gloss Absolu)」といった新シリーズの販売が好調で、この上半期に急速な成長を遂げたという。ほかにも、ロレアル・プロフェッショナルの「メタルDX(MetalDX)」、レッドケンの「アシディック・ボンディング・コンセントレート(Acidic Bonding Concentrate)」、マトリックスの「フードフォーソフト(Food For Soft)」といった美容師向け製品がヒットした。

手堅く成長してきたダーマトロジカルビューティ(臨床皮膚医学の知見に基づいて作られたスキンケア製品)部門は、売上高が1.7%増えたもの、2024年通期と比べて大きく落ち込んでいる。「ラ ロッシュ ポゼ(La Roche-Posay)」、「セラヴェ(CeraVe)」、「スキンシューティカルズ(SkinCeuticals)」、「スキンベターサイエンス(skinbetter science)」などの美容製品を抱えるこの部門は、2月に発表された2024年通期決算でロレアルグループが5.1%の成長を遂げる原動力となっていた。2024年には、既存店ベースで9.8%、報告ベースで9.3%の成長していた。

新興市場がけん引する地域別成長、北アジアは減少傾向に

地域別では、SAPMENA–SSA(南アジア太平洋、中東、北アフリカ、サハラ以南アフリカ)が9.2%の増加を記録し、上半期でトップに立った。一方、中国本土を含む北アジアは1.5%の減少となっている。欧州は3.4%の増加、北米は0.4%の増加、ラテンアメリカは1.0%の減少だった。

「経済的、地政学的な緊張が続くなかでも成長が見込まれる世界の美容市場で、当社は引き続き市場を上回る成長を挙げ、今年も売上高の成長と利益率の向上を達成できると確信している」と、ヒエロニムス氏は述べている。

[原文:Led by pro hair-care sales, L’Oréal Group reported 1.6% sales growth during the first half of the year

Lexy Lebsack(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:成田明香里)

提供元 Digiday