- トランプ大統領がイランとの2週間の停戦を発表した後、原油価格が急落し、株価先物が急騰した。
- 大統領が最後通牒を撤回することで市場に安堵感による上昇をもたらした、またしても典型的な事例だ。
- この緊張緩和は、7日の段階で史上最高値から5%下落した数値で取引を終えたS&P 500にとって朗報だ。
TACOトレードは健在だ。
ドナルド・トランプがイランとの合意に設定した、7日(米時間)午後8時の期限の約90分前、大統領は2週間の停戦を発表した。
それを受け、ブレント原油先物は最大16%急落し、WTI原油は最大19%暴落している。両指標とも1バレル100ドルを下回った。
米国の主要3指数すべての株価先物が大幅に上昇している。
こうして、今や有名な「トランプは必ず及び腰になる(Trump Always Chickens Out:TACO)」というパターンが、またしても現実のものとなった。投資家はそれを見越しており、原油で利益を確定する準備ができていた。
市場の判断は正しかったようだ。7日にトランプが発した「今夜、文明全体が滅びる」という激しい脅しに動じることなく、S&P 500とナスダックは通常取引時間中にプラスで引けた。TACOの事例が積み重なる中、トレーダーたちはトランプの強硬姿勢と撤回を繰り返すパターンを見抜くようになっている。
この緊張緩和は、7日に史上最高値から5%下落した数値で取引を終えたS&P 500にとって朗報だ。その一方、ブレント原油はイラン戦争開始前の水準と比べ、依然として50%高い水準にある。
Joe Ciolli/BI
7日(米時間)夜の主な動きをまとめると以下の通りだ。
- S&P 500先物:+2.2%
- ダウ・ジョーンズ工業株価平均先物:+1.9%
- Nasdaq 100先物:2.9%
- ブレント原油:-13.3%、94.76ドル
- WTI原油:-14%、96.84ドル
市場の安堵感は長続きしない可能性があり、今後もボラティリティは高止まりする公算が大きい。
三菱UFJ銀行(MUFG)の上級通貨アナリスト、マイケル・ワン(Michael Wan)氏は、イランの要求が「イスラエルや湾岸諸国を含む各当事者にとって受け入れがたい内容に見える」として、持続的な合意の実現は困難になり得ると警告した。
「したがって、書面上の合意は極めて不安定な均衡にとどまる可能性が高く、今後も相当程度のボラティリティが繰り返される公算の方が大きいと考える」と、ワンは火曜日付のレポートに記した。
同氏はさらに、イランがどのような譲歩を提示するかという重要な問題が残されており、仮に突破口が開かれたとしても、エネルギー市場が直ちに安定するとは限らないと付け加えた。