海外旅行の楽しみの一つとして、現地のスーパーでの買い物があります。日本のスーパーでは見かけないような珍しい食材や調味料に出会えるのは、異文化の魅力を感じる絶好のチャンスです。普段の食生活に新しいアクセントを加えてくれる、そんな発見も少なくありません。
例えばフランスのスーパーに行くと、色とりどりのチーズが棚に並んでいます。ブルーチーズやヤギのチーズなど種類が豊富で、それぞれ味も食感も大きく異なります。これらはパンとワインだけでなく、パスタやサラダ、リゾットなど幅広い料理に使われています。
イタリアではオリーブやオリーブオイルの種類の多さに驚かされることが多いです。味わい深いエキストラバージンオリーブオイルは、サラダのドレッシングやパンにつけてそのまま楽しむのが定番です。加えてグリーンオリーブやブラックオリーブも、ピザやパスタのトッピングとして使われています。
東南アジアのスーパーでは、魚醤やナンプラー、シュリンプペーストといった発酵調味料が並びます。これらは現地料理に欠かせない存在で、炒め物やスープに少量加えるだけで、深みのある旨味と独特の風味が加わります。タイのグリーンカレーやベトナムのフォーが代表的な使用例です。
中東地域のスーパーでは、タヒニ(ゴマペースト)やザータル(ミックススパイス)がよく見られます。タヒニはフムスというペースト状の料理に使われ、パンや野菜と合わせて食べられます。ザータルはパンにオリーブオイルを塗ってから振りかけたり、マリネの香り付けに使われたりします。
アメリカの大型スーパーでは、ユニークなシリアルやピーナッツバター、メープルシロップ、マシュマロなど日本ではあまり馴染みのない加工食品も豊富です。ピーナッツバターはサンドイッチの具材として定番ですが、カレーのコク出しや肉料理のソースにも応用できます。
イギリスのスーパーに足を運ぶと、マーマイトというイーストエキスを使ったペースト状の調味料が人気を集めています。独特の香りと風味で好みが分かれますが、トーストにバターと一緒に塗る食べ方が一般的です。紅茶や焼き菓子に合う味です。
ドイツやオーストリアでは、サワークラウト(キャベツの酢漬け)やさまざまな種類のソーセージが定番です。サワークラウトは肉料理の付け合わせとして使われ、独特の酸味が脂っこい料理をさっぱりと引き立てます。
メキシコではチリパウダーやサルサソース、コーントルティーヤなどが並び、家庭料理にも取り入れやすいです。チリパウダーは肉や魚のグリルにまぶしたり、スープに加えてピリッとした辛みを楽しみます。サルサソースはタコスやナチョスのソースだけでなく、オムレツのトッピングにもおすすめです。
南米のスーパーでは、紫色のじゃがいもやキヌア、アヒアマリージョという黄色い唐辛子など独特の食材に出会えます。キヌアはサラダに加えたり、スープの具材としても人気があります。
インドのスーパーには、クミンやコリアンダー、ターメリックなどスパイスの種類が驚くほど豊富です。これらはカレーの基本スパイスですが、炒め物やピラフ、スープの風味付けにも重宝します。特にターメリックは健康食材として注目されており、ミルクに加えてドリンクにする「ターメリックラテ」が流行しています。
韓国のスーパーでは、コチュジャンやデンジャン(韓国味噌)、ゴマ油など個性的な調味料を目にします。コチュジャンは炒め物やスープ、ビビンバのタレとして利用され、その辛みと甘みが特徴です。
中国では、豆板醤や老抽(濃い口しょうゆ)、黒酢など豊富な発酵調味料が売られています。これらは麻婆豆腐やチャーハン、煮込み料理に使われ、味に奥行きを与えてくれます。
スペインのパプリカパウダーやサフランは、パエリアや煮込み料理、ポテトサラダの彩りや香り付けによく使われています。特にサフランは高価ですが、少量で華やかな香りと色を楽しめます。
スウェーデンやノルウェーなど北欧では、ディルやキャビアペースト、ピクルドヘリング(酢漬けニシン)がよく消費されています。魚介類に合わせたり、クリームソースやサンドイッチのアクセントに使われます。
世界のスーパーで買える珍しい食材や調味料は持ち帰って味わうだけでなく、現地の人々がどのように使っているかを実際に観察・体験することで、新しい料理のアイデアが広がります。
珍しい調味料や食材は、少しずつ試しながら自分なりの使い方を工夫できるのも魅力です。日本の食卓に海外のテイストを取り入れることで、家庭での食事がますます楽しくなるでしょう。
旅先のスーパーを訪ねてみることで、料理や食材を通じてその国の文化を深く知ることができます。気になる食材や調味料に出会ったら、現地のレシピや食べ方を調べてみるのも旅の醍醐味です。
このように海外のスーパーで発見した珍しい食材と調味料は、世界各国の食文化への扉を開いてくれます。あなたも次の旅でスーパーに立ち寄ってみて、自分だけの新しい味の発見を楽しんでみてはいかがでしょうか。