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ビジネス

レゴ復活劇に学ぶ、倒産直前から世界的ブランドに変わった逆転の道

KaiK.ai
26/05/2025 18:07:00

世界中の子供たちだけでなく、大人にも愛されているレゴブロック。しかし、そんなレゴも一時は「倒産寸前」まで追い込まれた過去があることを知る人は意外と少ないでしょう。今や世界的ウォルト・ディズニーと並んで知名度を誇るブランドに生まれ変わるまで、レゴが辿った逆転の道には、多くのビジネスパーソンにとって学びとなる興味深いエピソードが詰まっています。

レゴ社は1932年、デンマークで木製おもちゃのメーカーとして創業されました。創業者のオーレ・カーク・クリスチャンセンは、当初から品質に徹底的にこだわり、「最高のものだけが十分良い」をモットーに掲げていました。やがて1958年、今も続くプラスチック製のブロックが誕生し、「自由な発想で遊べる知育玩具」として一躍人気を集めます。親子二世代、三世代でレゴに触れた経験がある家庭も少なくありません。

しかし、2000年代初頭、レゴは経営危機に見舞われます。最大の理由は、子供たちの遊びの多様化、そして家庭用ゲームの普及です。当時のレゴは、他社に負けじと「新しいこと」「流行りもの」を次々と製品化し、商品ラインナップが複雑化。そして生産コストが膨れ上がり、かつてのような“レゴらしさ”を失いかけていました。

2003年から2004年にかけてレゴ社は大赤字を計上し、年間約200億円の損失。その上、大規模なリストラも発表され工場やテーマパークの売却まで検討されました。文字通り「倒産寸前」となったが、この危機がレゴ復活劇のきっかけとなります。

その転機となったのは、2004年にイエルクン・ヴィー・クヌッドストープがCEOに就任したこと。彼はレゴの原点に立ち返るべきだと主張しました。まず実施されたのが、膨大に増えすぎた商品ラインの整理です。市場であまり反応が取れていない製品やコンセプトを大胆に“捨てる”ことで、コアなビジネスに資源を集中させました。

また、レゴブロックのパーツ数も極限まで見直されました。90年代には1万2000種類もあったパーツも、半分以下に削減。これら合理化は、在庫管理・生産コストの劇的な削減と、組み立てやすさ・遊びやすさの向上につながりました。「レゴらしい」わかりやすさが復活したのです。

その後、レゴは徹底したコスト管理だけでなく、外部企業との協業やライセンスビジネスに舵を切ります。たとえば「スター・ウォーズ」「ハリー・ポッター」「バットマン」といった世界的コンテンツとのコラボシリーズを販売。ファン層を子供たちだけでなく、大人にも大きく拡大しました。

近年ではデジタル分野にも積極進出しています。レゴムービーなどのアニメーション映画、さらにレゴブロックを使ったプログラミング教育教材や、VR体験などデジタルとリアルを組み合わせた新しい体験価値の提供にも挑戦し続けています。革新的なマーケティング戦略により“レゴブランド”への信頼がさらに高まりました。

レゴの復活劇からは、ビジネスにおける「原点回帰」の重要性を痛感します。急激な事業拡大や多角化が逆にブランドの本質を見失わせるリスクもあるという事実を、レゴの歴史は物語っています。一方で“変える勇気”と“守るべきもの”を冷静に見極めることが、企業存続のカギであるともいえます。

またもう一つ興味深いファクトとして、レゴはファンコミュニティとの強いつながりも大切にしています。大人のレゴ愛好家、通称“AFOL(Adult Fans Of LEGO)”を対象にした大型セットや公式コンテスト、SNSでの情報発信の場を積極的に提供。ファンのアイデアを製品化する「レゴアイデアズ」のような仕組みで、顧客とブランドが“共創”できる環境づくりにも成功しています。

さらにレゴはサステナビリティにも力を入れており、2030年までにプラスチックの代替素材を使用したブロック生産を目指しています。すでに再生可能な素材で作られたパーツも流通しており、企業の社会的責任(CSR)にも積極的にコミットしています。

ビジネス目線で注目すべきは、レゴが「遊びの価値」を徹底的に分析し、グローバル展開を成功させている点です。どんな国や文化でも、「創造する」「工夫する」「組み立てて遊ぶ」という普遍的な喜びがベースにあることに着目し、国や地域ごとにマーケティングを細やかに行っています。

実際、現在レゴの売り上げのうち、北米・ヨーロッパ市場に加えて中国やアジア市場での比重が増加。グローバルブランドとして世界中でファンを広げ、多様な文化や世代間の橋渡し役も担っています。

この一連の復活劇を支えたのは、「イノベーション」と「顧客との絆」でした。単に製品をつくるだけでなく、顧客と直接対話し、ユーザーがほしいもの、今後社会が必要とする体験を常に探り続けています。

レゴの挑戦は今日も続いています。時代は変わっても、「遊ぶ」ことへの人間の情熱は普遍です。レゴはその本質を見失わずに、変化を受け入れ、時には大胆に舵を切りながら、新しい未来を切り拓いています。

最近では建築業界や医療教育、美術分野でもレゴが活用されるなど、ビジネスの枠を超えた応用例が増加中です。社会のさまざまな課題解決のヒントとしても、レゴは世界中から注目を集めています。

レゴ復活劇は、「ピンチこそチャンス」「原点を忘れずに進化し続ける」ことの価値を、私たちに教えてくれます。ブロック一つ一つを丁寧に積み上げるように、地道な改革と熱意こそがブランドを世界的に成功に導く秘訣といえるでしょう。

今後もレゴがどんな逆転劇を見せてくれるのか、多くの人が注目するポイントです。企業経営やブランド戦略に興味を持つ方はもちろん、日々進化するレゴの新製品や新サービスにも、ぜひ目を向けてみてはいかがでしょうか。

提供元 KaiK.ai