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宇宙

高速移動する流星体が地球大気で輝く原理と観測

KaiK.ai
17/10/2025 12:40:00

夜空を見上げたとき、突如として流れる一筋の光。これは「流星」、別名で「流れ星」とも呼ばれる美しい天文現象です。多くの人が願いごとをしながら見つめる光景ですが、そもそも流星体がどのようにして輝きを放ち、なぜあの一瞬の輝きを見せてくれるのでしょうか。その秘密を紐解いてみましょう。

流星体とは、宇宙空間を漂う小さな塵や岩石のことを指します。この正体は主に彗星や小惑星から剥がれ落ちた物質で、サイズは砂粒ほどのものから比較的大きなものまでさまざまです。しかしほとんどは数ミリから数センチ程度ととても小さいのです。

これらの流星体は、地球の公転軌道と重なることで、地球の大気圏に突入してきます。高い速度で地球に向かってくる流星体は、しばしば秒速10~70kmという驚異的な速さで突入します。このスピード感こそが、流星が美しく輝く鍵となっています。

地球の大気は思ったより厚く、流星体が突入するとまず大気分子との激しい衝突が起こります。この衝突によって流星体自体が急激に高温になります。実に2000度から3000度にも達する高温で、物質は一瞬で蒸発してしまいます。

流星が明るく光るのは、流星体そのものが燃えているからではなく、その高熱によって蒸発した物質や空気中の分子が電離し、発光しているためです。これは、「プラズマ現象」と呼ばれ、夜空に一瞬だけ現れる発光の正体なのです。

ちなみに、流星の明るさや色は流星体の成分によって異なります。例えば、ナトリウムを多く含む流星体は黄色っぽく、マグネシウムは緑色、鉄分が多いと白っぽい光になります。夜空を彩る流星の色の違いも、実は化学的な違いから生じているのです。

流星はごく一瞬の現象ですが、一部が地表に到達することもあります。これが「隕石」と呼ばれるものです。流星が大気中で完全に燃え尽きずに地面に到達したとき、それは古来より貴重な天体資料とされてきました。

流星を見る最適な方法として、「流星群」の時期に夜空を観察することが推奨されます。代表的な流星群としては、8月のペルセウス座流星群や12月のふたご座流星群があります。この時期には1時間あたり数十個もの流星を観測できることも珍しくありません。

流星観測には特別な機材は必要ありません。街の光が少ない暗い場所に寝っ転がって広い空を見上げるのが一番です。目が慣れるまで20分ほどじっと待つと、肉眼でたくさんの流星を見つけやすくなります。

流星はごく一瞬ですが、科学的には非常に多くの情報を秘めています。流星体のサイズ、大気との衝突角度、速度、組成など、これらの分析から宇宙の塵や、太陽系の歴史を知る手がかりが得られます。

また、流星体の軌道解析によって、どの母天体(主に彗星や小惑星)から来たのか推測することも可能です。それがわかれば、流星群の発生源が判明し、より精密な予測ができるようになります。

昨今は、カメラやスマホを用いた流星観測も人気です。長秒露光モードを活用すれば、一瞬の流星を写真に収めることもできます。SNSでは美しい流星写真が次々とシェアされ、世界中で空への関心が高まっています。

日本でも流星観測は古くから親しまれ、時には流星雨として記録が残されています。平安時代の書物や江戸時代の日記にも、流星群に驚く人々の様子が記されています。

流星を観測することは、単に美しさを楽しむだけではありません。そこには宇宙や地球、その歴史への好奇心や探究心が詰まっています。夜空に流れる光に思いを馳せるひとときは、忙しい日常を忘れて宇宙規模の視野を持つ素晴らしい機会でもあるのです。

この夏や冬の流星群のシーズンには、ぜひひと晩、ゆっくり星空観察を楽しんでみてはいかがでしょうか。その一瞬の流れ星が、きっと特別な思い出になってくれることでしょう。

提供元 KaiK.ai