韓国で、外来診療を受けるため1年間に365回以上病院を訪れた患者が、過去5年間で1万2000人を超えたことが分かった。
10月9日、国会保健福祉委員会所属の国民の力・徐明玉(ソ・ミョンオク)議員室が国民健康保険公団から受け取った資料によると、昨年、健康保険が適用された年間外来診療回数が365回を超えた患者は2288人だった。
最近5年間の超過者の現状をみると、2020年2535人、2021年2564人、2022年2497人、2023年2463人、2024年2288人で、合計1万2347人に達したことが明らかになった。
韓国の健康保険公団では、不必要な医療の乱用を防ぐため、昨年7月から年間外来診療利用回数が365回を超える患者に対しては、超過分について自己負担率を90%に適用する「自己負担差等制」を導入したが、超過者数は前年に比べて大きく減らなかった。
年齢層別にみると、70代が774人で最も多く、次いで60代(524人)、80代以上(438人)と高齢層が大半を占めたが、30代(65人)、20代(27人)などの若年層も含まれていた。
これらの患者が訪れた医療機関を種別で分類(重複計算)すると、大多数の2249人(98.3%)が医院級の医療機関を利用していた。総合病院を訪れたのは1404人(61.4%)、上級総合病院を訪れたのは914人(39.9%)だった。
一方、議員室が健康保険審査評価院から受け取った資料によると、今年1〜7月に精神健康医学的疾患である「病気不安症(健康不安症)」で病院を訪れた患者は合計2478人だった。
過去5年間の患者数は、2020年2962人、2021年3864人、2022年3682人、2023年3866人、2024年3504人だった。2020年から今年7月までに病気不安症で請求された診療費の総額は56億7000万ウォン(約6億2400万円)に達する。
徐議員は「健康保険公団は、医療従事者と国民の医療利用に対する意識改善のために、34の専門医学会と協力して『賢明な(医療)選択』リストを作成したが、実際に医療現場に適用されたのは2カ所にとどまっている」と指摘した。
さらに「国民の病気不安症の現状を考慮し、『ドクターショッピング』を防ぐため、過剰な医療利用防止に関する予算を増額し、国民が合理的に医療を利用できる環境を積極的に整えるべきだ」と述べた。