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スポーツ

錦織、縦横無尽のスタイル=けがとの闘いも―引退発表・男子テニス

世界の舞台では身長190センチを超える大型選手も珍しくない。178センチの錦織は、コースや球種を自在に打ち分けるショットや俊敏性を武器に、彼らのパワーに対抗してきた。ベースライン上でのプレーを基本とした攻撃に加え、天性のボールタッチを生かして随所にドロップショットやボレーを織り交ぜるスタイルには華があった。

全盛期はラリー戦になるとめっぽう強かった。際どいコースに打ち込まれても、素早く追い付き何度でも返球。サイドラインに沿うような軌道の「ダウンザライン」、飛び上がって体を目いっぱいひねりながら放つ「エア・ケイ」は威力抜群で、代名詞にもなった。ロジャー・フェデラー(スイス)ら「ビッグ4」も錦織のリターンやバックハンド、フットワークを口々に称賛した。サーブも次第に厳しいコースを突けるようになった。

ただ、「毎試合を100%の力でやってしまう」(錦織)ために、常にけがのリスクと隣り合わせだった。2009年には右肘の手術を受けて長期離脱。17年は右手首の故障に苦しんだ。勝ち進みながら、けがで大会を途中棄権したことも少なくない。

近年は体への負担を減らすためサーブのフォームを改善し、ネットプレーを増やすなど工夫を重ねてきたが、22年1月には股関節を手術。そのリハビリ中には右足首を痛めて復帰が遅れ、丸1年もプレーできなかった。もどかしさや不安を抱えながらも、「『テニスが好きだ』『もっと強くなれる』という思いが、何度でも自分をコートに戻してくれた」とSNSにつづった錦織。36歳で、ラケットを置く決断を下した。

[時事通信社]

提供元 Jiji