「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに184日間、大阪市の人工島「夢洲」で開かれた大阪・関西万博が13日午後10時に閉幕する。愛知万博以来20年ぶりの国内開催で、55年前の大阪万博(6422万人)に次いで2番目に多い2500万人超が来場した。
最終日の13日も多くの人でにぎわう中、会場内のEXPOホール「シャインハット」では閉会式が行われた。万博名誉会長の石破茂首相は「分断よりも連帯、対立よりも寛容を大切に、素晴らしい博覧会をつくり上げることができた。新しい日本の幕開けになり、地方創生にもつながった」とあいさつした。
名誉総裁の秋篠宮さま、同妃紀子さまも出席された。秋篠宮さまは「人類が直面している共通の課題への解決策について共に考える機会を得たことは、非常に意義深いことと思う」と述べた。
式典では、博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)の旗が次の大規模万博となる2030年リヤド万博(サウジアラビア)の代表に引き継がれた。
同日採択された「大阪・関西万博宣言」では「参加者とホスト国は大屋根リングに体現される『多様でありながら、ひとつ』とのメッセージを世界に発信した」と明記。「分断という言葉がより強く語られ始める中、リアルなイベントとしての万博が多くの人々を魅了し、非日常の大きな熱狂を生み出し得ることを見せた」と成果を強調した。
その後、参加国の国旗などを持った隊列が会場内を練り歩く「フラッグパレード」が行われ、最後の夜空に舞う花火に多くの人が歓声を上げた。
万博は4月13日に開幕。国内開催では過去最多となる158カ国・地域、7国際機関が参加した。来場者数は05年愛知万博(約2205万人)を上回り、今月12日までに累計約2529万人(速報値)に上った。運営費の収支は最大280億円の黒字となる見通しだ。