日清オイリオグループなど食用油大手が6月から、家庭・業務用ともに値上げする。中東情勢の悪化による物流コストの上昇やバイオ燃料への代替需要の増大などが理由で、値上げ幅は1割から3割程度。4月に続く再値上げとなり、家計や外食産業への広範な影響が懸念される。
「オイルバリューは異常値の水準まで跳ね上がっている」。日清オイリオは短期間での再値上げの理由をこう説明する。オイルバリューは食用油の価格を決める際の参考となる指標の一つで、数値の上昇は採算性悪化につながる。一般的な水準は35~40%とされているが、今年3~4月は50%前後で推移。同社の藤井圭介製油統括部次長は「50%なんて見ることがない」と驚きを隠さない。
急上昇の理由に、植物性の油を原料とし、軽油に混ぜて使用される「バイオディーゼル」の需要の伸びが指摘される。マレーシアが中東情勢の悪化による原油の供給不足への対応で混合比率を高めた軽油の導入を決めるなど、化石燃料の代替として需要が増している。
各国のエネルギー政策も需要拡大に影響している。米環境保護局(EPA)は3月下旬、今後2年間のバイオ燃料の混合義務量の引き上げを発表。こうした規制強化による価格上昇圧力も指摘される。
植物性の油の需要動向について、日本エネルギー経済研究所の大森嘉彦氏は「燃料用途は意外と少ない」と指摘、食用と燃料用での深刻な原料の取り合いは起きていないとの認識を示す。ただ、今回の中東情勢を受けて「エネルギー供給源の多角化という観点からバイオディーゼルが注目される可能性はある。その際、食用との関係は当然議論されるべきだ」と指摘した。