【ワシントンAFP=時事】チャールズ英国王(77)は28日、大西洋を挟んだ関係の修復を目指す重要な米国公式訪問を続ける中で、英米共通の歴史をユーモアを交えて語った。≪写真は、米ホワイトハウス南庭での到着式で、群衆に手を振るドナルド・トランプ大統領夫妻とチャールズ英国王夫妻≫
チャールズ国王は米議会で演説し、ホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領主催の晩さん会に出席した。そのユーモアは、傲慢(ごうまん)なトランプ氏とは対照的で、亡き母エリザベス女王によって淡々と語られる知的なユーモアをほうふつとさせた。
国王の印象的な発言を以下にまとめてみた。
■ワシントン焼き討ち
チャールズ国王は晩さん会で、「大統領、昨年のウィンザー城訪問の後、ホワイトハウス東棟に手が加えられたことがどうしても目にとまってしまう」と述べた。
「申し訳ないが、私たち英国人も1814年にホワイトハウスの不動産再開発を試みたことがある」と付け加えると、会場は大きな笑いに包まれた。
英国軍は米英戦争終盤の1814年8月、「ワシントン焼き討ち」の一環として、ホワイトハウスをはじめとする公共建築物に放火した。
■オスカー・ワイルド
チャールズ国王は議会での演説で、アイルランドの作家、詩人、劇作家オスカー・ワイルドの言葉を引用し、米英の「特別な関係」について語り始めた。
「両国の運命は常に結び付いてきた。オスカー・ワイルドが述べたように、私たちは今やほぼすべてを共有している。もちろん言語は別だが!』」と述べた。
■ボストン・ティーパーティー
チャールズ国王は晩さん会の乾杯前、英劇作家ウィリアム・シェークスピアの平和を訴える一節を引用したが、最後に意味深な一言を添えた。
「トランプ大統領ご夫妻、今晩の素晴らしい晩さん会をありがとう。ボストン・ティーパーティー(ボストン茶会事件)に比べれば、はるかに改善されたと言っていいだろう」と述べた。
ボストン・ティーパーティーとは、1773年に当時英植民地だったボストンで、英本国の茶法に反発した人々が東インド会社の船を襲撃し、積み荷の茶箱342箱を海に投げ捨てた事件。
■2人のジョージ
チャールズ国王は議会での演説で、英作家チャールズ・ディケンズの小説「二都物語(A Tale of Two Cities)」をもじり、米首都ワシントンの強い象徴性に言及。
「ここは、われわれが共有する歴史の一時代を象徴する都市だ。チャールズ・ディケンズなら『2人のジョージの物語(A Tale of Two Georges)』と呼んだかもしれない。2人のジョージとは、初代米大統領ジョージ・ワシントンと、私の5代前の祖先である英国王ジョージ3世だ」と述べた。
さらに、「ご存知の通り、ジョージ3世は米国の土を踏んだことはない。ちなみに皆さん、私は何らかの巧妙な後衛戦(最後の抵抗)の一環としてここにいるわけではないのでご安心ください」と付け加えた。
■フットボール
6月には、史上初めて3か国共催で開催される2026年サッカーW杯北中米大会のために、何百万人ものファンが米国、カナダ、メキシコを訪れる予定だ。
カナダの国家元首でもあるチャールズ国王は晩さん会で、「あと数週間で、米国とカナダはW杯の開催国として、世界を迎えることになる。つまり、大統領閣下、ある意味では、国家元首である私たちは共同ホストを務めることになる」と述べた。
「ちなみに、われわれ(英国人)はこの競技をフットボールと呼ぶ」と付け加えた。
米国で「フットボール」という言葉は、主に手を使うアメリカンフットボールを指す。
■フランス語を話していただろう
晩さん会での乾杯の際に冗談を交わす中、チャールズ国王は、欧州諸国が第2次世界大戦後、十分な防衛費負担をせず米国に負担を押し付けて「ただ乗り」していると批判するトランプ氏の過去の発言に言及した。
「大統領閣下、あなたは先日、米国がいなければ欧州諸国はドイツ語を話していたと発言した。あえて言わせてもらうと、英国がいなければ、あなた方(米国人)はフランス語を話していただろう」と皮肉たっぷりに述べた。【翻訳編集AFPBBNews】