21日のチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第3節、バルセロナはホームでのオリンピアコス戦で6-1の大勝を飾っている。
前節PSG戦を1-2で落としたバルセロナが今節モンジュイックに迎えるのは、スペイン人のメンディリバル監督が率いるオリンピアコスだ。CLで勝ち点を積み重ねていくため(リーグフェーズを2位以上終えれば、決勝トーナメントは2ndレグが)、そして週末のクラシコに向けて弾みをつけるためにも勝利がほしいところである。
レヴァンドフスキ、フェランを負傷で欠くフリック監督は、今回は17歳トニ・フェルナンデスではなくラッシュフォードを1トップで起用。全スタメンはGKシュチェスニー、DFクンデ、クバルシ、エリック・ガルシア、バルデ、MF後列カサド、ぺドリ、前列ヤマル、フェルミン、ドロ、FWラッシュフォード。
前半、展開とスコアが一致しない内容に。オリンピアコスはメンディリバル監督らしいハイプレスのフットボールを見せ、開始直後にチャンスを迎えるなどバルセロナを苦しめた。だがパフォーマンスで劣るバルセロナも、前線までボールをつなげれば抜群の決定力を発揮。7分には先制点を記録した。
バルセロナはフェルミンがペナルティーエリア内右に入り込み、ヤマルとボールをスイッチ。ヤマルはGKコンスタンティノスを眼前にシュートを打てず、足元のボールを弾かれるも、こぼれ球を拾ったフェルミンが左足のシュートを決め切った。バルセロナはさらに38分、前線でぺドリがボールを奪取してショートカウンターを仕掛けると、ペナルティーエリア内右でボールを受けたフェルミンが巧みな切り返しから左足を振り抜いて、この試合2点目を決めている。全体的には劣勢だったバルセロナだが、MFとして圧倒的な得点力を誇るフェルミンの活躍により、2-0で試合を折り返した。
迎えた後半、バルセロナは53分にカービのPKから1点を返される。しかし57分にはエッセがハンドによって2枚目のイエローカードで退場となり、数的にも優位に立つことに成功。そこからは一方的にオリンピアコスを攻め立てて、ゴールラッシュを見せている。
ドロをフレンキー・デ・ヨングに代えて攻勢を見せたバルセロナは、68分に3点目を記録した。ラッシュフォードがGKコンスタンティノスに倒されてPKを獲得すると、キッカーのヤマルがゴール中央にシュートを決め切っている。なおCLで初めてPKを決めたヤマルだが、同大会歴代2位の若さでPKからゴールを決めた選手に(18歳100日)。歴代1位は、同じくバルセロナでプレーしたボージャン・クルキッチで、18歳90日でPKを決めていた。
バルセロナが4点目を決めたのは、74分のこと。ペナルティーエリア内左でバルデのパスを受けたラッシュフォードが、DFと対峙してその場で静止してから右足だけを動かし、ニアサイドを打ち抜いている。また、その2分後には個人技で右サイドを突破したルーニーのクロスから、フェルミンが右足のボレーシュートでハットトリックを達成(プロデビュー後初の3得点)。さらに79分にはぺドリの浮き球を受けたラッシュフォードが振りの速いシュートでネットを揺らし、バルセロナが大量6得点でオリンピアコスを下している。
バルセロナの今季CL成績はこれで2勝1敗に。オリンピアコスに退場者が出たことでの大量得点で、パフォーマンス的にはまだ改善の余地がありそうだが、精神的にもクラシコに向けて勢いをつけることに成功している。とりわけこの試合のMOMにも輝いたフェルミンは、その抜群の飛び出しから見せる決定力が、“本物”であることを改めて証明している。